相続した家を住まないならどうする?空き家リスクと国庫帰属制度を解説

2026-06-25

相続相談


相続した家をそのままにしておくことについて、どのような選択肢があるのか、また、どのようなリスクがあるのか、気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
住む予定のない実家を相続した場合、管理の手間や費用、将来的な活用方法など、様々な不安が生じることがあります。
今回は、相続した実家を住まないままにしておくことによるリスクと、それに対する具体的な対処法について解説していきます。

相続した家を住まないリスク


税金維持管理費の負担

住まなくなった実家を相続すると、所有者として様々な負担が生じます。
まず、相続税がかかる場合があります。
亡くなった方の相続財産が一定額を超えると、相続税の申告・納税が必要となります。
さらに、所有している限り、毎年固定資産税と都市計画税が課税されます。
これらの税金は、不動産の評価額や立地条件によって変動しますが、住んでいないからといって免除されるものではありません。

また、家を維持するための管理費用も発生します。
空き家であっても、水道光熱費の基本料金がかかったり、定期的な換気や通水、草刈りなどの手入れが必要になったりします。
遠方に住んでいる場合や、ご自身で管理する時間がない場合には、専門の管理サービスを利用することになり、そのための費用も継続的に発生します。

空き家リスクと税金増

相続した家を空き家のまま放置しておくと、様々なリスクが生じます。
建物の老朽化が進み、適切な管理が行われない状態が続くと、自治体から「特定空き家」や「管理不全空家」に指定される可能性があります。

特定空き家に指定されると、本来、住宅用地として適用される固定資産税の軽減措置が解除され、税額が大幅に増加してしまうことがあります。
これは、本来の税額の6倍になるケースもあるため、経済的な負担は非常に大きくなります。

さらに、空き家が近隣住民に迷惑をかける可能性も無視できません。
敷地内に雑草が生い茂り害虫や害獣の温床となったり、放火や不法投棄の標的になったりするリスクも考えられます。
建物の倒壊といった事故が発生した場合、その責任を問われる可能性もゼロではありません。

解体費用がかかる場合

建物の状態が悪化し、そのままでは活用や売却が難しいと判断される場合、解体して更地にするという選択肢が生まれます。
しかし、建物の解体にはまとまった費用がかかります。
木造住宅の場合、坪単価によっては100万円を超えることも珍しくありません。

特に、建物の規模が大きい場合や、アスベストなどの特殊な建材が使用されている場合は、解体費用がさらに高額になる傾向があります。
固定資産税や維持管理費の負担に加え、解体費用まで負担することになると、相当な経済的負担となる可能性があります。



住まない相続した家への対処法


相続前の選択肢

住む予定のない実家を相続することになった場合、相続が発生する「前」にできる対策を検討することも有効です。
例えば、親族間で話し合い、実家を特に活用する意向がある他の相続人に相続してもらうといった方法があります。
この場合、遺言書を作成しておくか、相続発生後には遺産分割協議書で明確にしておくことが重要です。

また、相続する前に不動産会社などに売却してしまうことも、負担を回避する有力な手段です。
売却できれば、税金や管理の負担、手続きの手間といったものがなくなります。
建物を現金化しておくことで、相続人間での金銭分割もしやすくなり、将来的な遺産分割トラブルを防ぐことにもつながります。

一方で、相続したくない、あるいは負債が多いなどの理由から、相続放棄を検討する場合もあります。
ただし、相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も全て放棄することになるため、実家だけでなく、預貯金などの他の財産も一切受け取れなくなります。
安易な判断はせず、慎重に検討する必要があります。

相続後の選択肢

相続が発生し、すでに実家を相続した後に、住まない場合の対処法としては、主に売却、賃貸に出して収益化、解体して土地活用などが考えられます。

建物の状態が比較的良好であれば、早めに売却するのが賢明です。
空き家期間が長くなると建物の劣化が進み、売却価格が下がる可能性があります。
古家付きのまま売却する方法や、解体して更地にしてから売却する方法など、物件の状態や市場のニーズに合わせて検討できます。

建物の状態が良く、賃貸需要が見込める立地であれば、戸建て賃貸として貸し出すことも可能です。
リフォームやリノベーションを行うことで、付加価値を高め、安定した家賃収入を得られる可能性があります。
あるいは、倉庫やトランクルームとして活用したり、駐車場として貸し出したりするなど、土地の形状や立地条件に合わせて、建物を解体した後の土地活用も選択肢となります。

国庫帰属制度の活用

売却や活用が難しい、あるいは管理が困難な土地を相続した場合、「相続土地国庫帰属制度」を活用するという最終手段もあります。
この制度は、相続によって取得した土地のうち、不要な土地を国に引き取ってもらうことができるものです。

ただし、この制度を利用するにはいくつかの条件があります。
例えば、建物が建っている場合は、原則として解体して更地にする必要があります。
また、土地に抵当権が設定されていたり、境界に関する争いがあったりしないことが求められます。
利用にあたっては、審査手数料や、土地の管理に要すると見込まれる10年分の費用を負担する必要があります。
しかし、管理に困る土地を合法的に手放せるため、他の手段がない場合の有効な選択肢となり得ます。


まとめ


住まない実家を相続した場合、税金や維持管理費の負担、空き家化によるリスク、そして解体費用など、様々な課題に直面する可能性があります。
相続が発生する前であれば、売却や他の相続人への承継、場合によっては相続放棄といった選択肢があります。
相続発生後であっても、早期の売却、賃貸物件としての活用、解体しての土地活用、そして最終手段としての相続土地国庫帰属制度の利用など、複数の対処法が考えられます。
ご自身の状況や物件の特性に合わせて、最適な方法を見つけるために、専門家への相談も検討されることをお勧めします。

Q:住まない家を相続した際のリスクとは?

A:住まない家を相続すると、維持管理や費用面での負担が発生します。
具体的には固定資産税の支払いや修繕費、空き家管理の手間がかかります。
また、放置すると建物の老朽化や倒壊リスク、不法侵入や近隣トラブルの原因になる可能性があります。
さらに、特定空き家に指定されると税負担が増えることもあるため、早めに活用や売却などの方針を検討することが重要です。

Q:住まない家を相続すると税金の負担はどうなるか?

A:住まない家でも所有している限り固定資産税や都市計画税が課税されます。
住宅用地の特例により税額が軽減される場合もありますが、適切に管理されていないと特例が外れることもあります。
また、相続時には相続税が発生する可能性があり、売却時には譲渡所得税も課税対象となります。
税負担は状況によって異なるため、事前に確認することが重要です。

Q:住まない家の解体にはどれくらい費用がかかるか?

A:解体費用は建物の構造や規模、立地条件によって異なりますが、一般的な木造住宅であれば100万円~300万円程度が目安とされています。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合はさらに高額になる傾向があります。
また、アスベストの有無や重機が入りにくい立地などによって追加費用が発生することもあります。
正確な費用は業者による見積もりで確認する必要があります。

Q:住まない家を相続した際の対処法は?

A:主な対処法としては、売却、賃貸、解体して土地活用、または管理を継続する方法があります。
利用予定がない場合は早めに売却を検討することで、維持費やリスクを抑えられます。
賃貸として活用する場合は収益化も可能ですが、管理や初期投資が必要です。
状況に応じて最適な方法は異なるため、不動産会社や専門家に相談しながら判断することが重要です。

Q:住まない家を相続したら国庫帰属制度は使えるか?

A:はい、「相続土地国庫帰属制度」を利用できる可能性があります。
この制度は、一定の条件を満たす土地を国に引き取ってもらえる仕組みです。
ただし、建物が残っている場合は原則対象外であり、事前に解体が必要です。
また、管理費相当の負担金を納める必要があります。
すべての土地が対象になるわけではなく、要件が厳しいため、事前に詳細を確認し専門家に相談することが重要です。

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