相続した不動産の共有持分売却方法とは?注意点と現金化のポイントを解説


相続した不動産が複数の名義になっている場合、「共有持分」という形で所有権が分かれていることがあります。
この共有持分をどう扱えば良いか、売却は可能なのかと悩む方は少なくありません。
共有名義の不動産は、管理や将来的な売却において、権利者同士の意見の食い違いなど、特有の課題が生じやすいものです。
今回は、相続した不動産の共有持分を売却する方法、その際の注意点、そして共有状態を解消するための他の選択肢について解説します。

相続不動産の共有持分売却方法


共有持分は単独で売却可能


共有名義となっている不動産の共有持分は、他の共有者の同意を得る必要なく、自身の所有権割合のみを売却することが法的に認められています。
これは、所有者が自身の所有物に対して自由に処分できるという原則に基づいています。
ただし、不動産全体の売却には共有者全員の同意が必要となるため、共有持分のみの売却と混同しないように注意が必要です。

売却先は他の共有者か買取業者


共有持分の主な売却先は、「他の共有者」か「不動産買取業者」の二つに分けられます。
他の共有者に売却する場合、その持分を買い取ることで不動産全体の過半数の権利を得たり、最終的に単独名義にしたりできるメリットがあります。
相場は、不動産全体の市場価格に共有持分割合を乗じた金額が目安となります。
一方、不動産買取業者に売却する場合、共有持分の扱いに慣れているため、スムーズな取引が期待できます。
現金化までのスピードが速く、そのままの状態で買い取ってもらえるケースも多いですが、相場は他の共有者に売却する場合よりも低くなる傾向があります。

共有持分の相場と現金化


共有持分の売却相場は、売却先によって異なります。
他の共有者に売却する場合の相場は、「不動産全体の市場価格×共有持分割合」が目安となります。
例えば、時価4,000万円の不動産で持分が30%であれば、1,200万円前後が相場となります。
不動産買取業者に売却する場合は、諸経費やリスク負担が価格に反映されるため、相場は「不動産全体の市場価格×共有持分割合」のおおよそ2分の1から3分の1程度、あるいは一般市場価格の1~3割程度まで下がることが一般的です。
買取業者であれば、査定から現金化まで数日から1カ月程度と、比較的短期間での現金化が期待できる場合があります。



共有持分売却時の注意点


売却時のトラブルと回避策


共有持分を売却する際には、いくつかのトラブルが想定されます。
例えば、他の共有者に黙って売却を進めると、人間関係が悪化する可能性があります。
トラブルを避けるためにも、事前に売却の意向を伝え、話し合いの場を持つことが重要です。
また、買主との間で取引内容に相違が生じる、あるいは相場より極端に安く売却したために税務署から「みなし贈与」と判断され、贈与税が課されるといったケースもあります。
このような事態を防ぐためには、不動産会社などの専門家に相談し、適切な価格での取引を心がけることが大切です。

売却にかかる費用と税金


共有持分を売却した際には、いくつかの費用や税金が発生します。
主なものとしては、売却益に対してかかる譲渡所得税、抵当権抹消登記にかかる登録免許税、売買契約書に貼付する印紙税、登記手続きを依頼する場合の司法書士報酬、そして不動産会社を介した場合の仲介手数料などが挙げられます。
譲渡所得税は、不動産の所有期間によって税率が異なります。
これらの費用や税金については、事前に把握しておくことが重要です。

売却以外の共有解消法


共有持分を売却する以外にも、共有状態を解消する方法はいくつか存在します。
相続が発生した際の遺産分割協議で、特定の相続人の単独名義とする方法があります。
また、他の共有者の持分をすべて買い取る、土地を分筆して物理的に分割する、共有持分を放棄する、あるいは贈与するといった選択肢もあります。
さらに、他の共有者が共有解消に応じない場合には、共有物分割請求訴訟という法的な手続きをとることも可能です。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、ご自身の状況や意向に合わせて検討すると良いでしょう。


まとめ


相続した不動産に共有持分がある場合、その持分を売却することは可能です。
売却先としては、他の共有者や専門の買取業者が主な選択肢となりますが、それぞれに相場やメリット・デメリットがあります。
売却時には、他の共有者との関係性や、発生する費用・税金、税務上の注意点などを理解しておくことが重要です。
また、共有持分の売却以外にも、遺産分割協議での単独名義化、持分の買取、分筆、放棄、贈与、共有物分割請求など、共有状態を解消するための多様な選択肢が存在します。
ご自身の状況や目的に照らし合わせ、最適な方法を検討することが、円満な不動産相続へと繋がるでしょう。

Q:相続した不動産の共有持分だけを売却することはできますか?


A:はい、共有名義の不動産であっても、自分の共有持分だけであれば、他の共有者の同意を得ることなく売却できます。
ただし、不動産全体を売却する場合は共有者全員の同意が必要です。
共有持分のみの売却と不動産全体の売却では手続きが異なるため、事前に違いを理解しておくことが大切です。

Q:共有持分は誰に売却できますか?


A:共有持分の主な売却先は、他の共有者または共有持分を取り扱う不動産買取業者です。
他の共有者へ売却する場合は比較的市場価格に近い金額で取引できる可能性があります。
一方、買取業者はスピーディーに現金化できるメリットがありますが、売却価格は市場価格より低くなる傾向があります。
状況や希望に応じて売却先を選ぶことが重要です。

Q:共有持分の売却価格はどのように決まりますか?


A:共有持分の価格は、不動産全体の価値や持分割合、売却先などによって決まります。
他の共有者へ売却する場合は「不動産全体の市場価格×持分割合」が目安となることが一般的です。
一方、不動産買取業者へ売却する場合は、権利関係の調整や再販売のリスクを考慮するため、市場価格より低い金額になることがあります。

Q:共有持分を売却する際の注意点はありますか?


A:共有持分は単独で売却できますが、他の共有者へ事前に相談せずに進めると、人間関係の悪化やトラブルにつながる可能性があります。
また、著しく安い価格で売却すると、税務上「みなし贈与」と判断されるケースもあるため注意が必要です。
適正な価格で取引するためにも、不動産会社などの専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。

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Q:共有持分を売却する以外に共有状態を解消する方法はありますか?

A:はい、共有持分を売却しなくても共有状態を解消する方法があります。
例えば、遺産分割協議で一人の名義に変更する方法や、他の共有者へ持分を譲渡・売却する方法、土地を分筆して単独所有にする方法などがあります。
また、共有者同士で話し合いがまとまらない場合は、共有物分割請求訴訟を利用することも可能です。
状況に応じて最適な方法を選ぶためには、専門家へ相談すると安心です。

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