相続した不動産が共有名義でトラブルになる理由とは?解決策も解説

2026-07-22

相続相談


相続で不動産を取得した際、複数の相続人でその不動産を「共有名義」で引き継ぐことがあります。
一見、公平に思える共有名義ですが、そのままにしておくと、後々、思わぬトラブルに発展するケースが少なくありません。
不動産の処分や維持管理、費用の負担など、共有者それぞれの意向が一致しない場合、問題が複雑化してしまうことがあります。
今回は、相続した不動産が共有名義になった場合に、なぜトラブルが起こりやすいのか、そして、そのトラブルをどのように解決・回避していくのかについて解説します。

相続した不動産は共有名義でなぜトラブルになるのか


共有者の意見がまとまらず不動産処分が困難


不動産を共有名義で相続した場合、その不動産全体を売却したり、賃貸に出したりする際には、原則として共有者全員の同意が必要になります。
そのため、共有者の一人でも反対する意見があれば、不動産を処分することが困難になります。
例えば、相続した不動産を売却して現金化したいと考えても、他の共有者の意向が合わなければ、計画を進めることができません。
このように、意見の不一致が不動産の有効活用を妨げ、結果として放置される事態を招くことがあります。

連絡が取れない共有者がいると手続きが進まない


相続発生時の共有者同士の関係性が希薄であったり、遠方に住んでいたりする場合、連絡が取れなくなることがあります。
さらに、共有者が亡くなり、その相続人(お子さんなど)に権利が引き継がれると、誰が相続人であるかを把握することすら難しくなるケースも珍しくありません。
共有名義の不動産を売却したり、何らかの手続きを進めたりする際に、連絡が取れない共有者がいると、話し合いが成立せず、必要な手続きが滞ってしまいます。

固定資産税などの費用負担で揉める


共有名義の不動産は、たとえ誰も使用していなくても、固定資産税や都市計画税などの税金、マンションであれば管理費や修繕積立金といった維持費用が発生します。
これらの費用は、原則として持分割合に応じて負担することになりますが、その負担方法や、不動産の管理・維持にかかる手間について、共有者間で意見が食い違うことがあります。
例えば、一部の共有者が管理の手間を多く担っているにもかかわらず、費用の負担が平等であることに不満を感じるケースなどが考えられます。
こうした費用の分担をめぐる問題が、トラブルに発展する原因となることがあります。



共有名義の不動産トラブルをどう解決・回避するか


不動産を売却し代金を分配する


共有名義の不動産トラブルを解決する一つの方法として、不動産全体を売却し、その売却代金を各共有者の持分割合に応じて分配する「換価分割」があります。
この方法は、不動産を現金化することで、共有者間の公平性を保ちやすく、トラブルを避けやすい解決策と言えます。
例えば、不動産が4,000万円で売却できた場合、持分がそれぞれ1/2、1/4、1/4であれば、それぞれ2,000万円、1,000万円、1,000万円を受け取ることになります。
これにより、不動産の所有権や管理に関する問題から解放されます。

持分を他の共有者に買い取ってもらう


共有名義を解消する方法として、他の共有者に自分の持分を買い取ってもらう「代償分割」も考えられます。
この場合、不動産を単独で所有したい共有者が、他の共有者の持分に相当する代償金を支払うことになります。
これにより、不動産は一人の名義になり、共有状態が解消されます。
ただし、代償金を支払う共有者に十分な支払い能力があること、そして、代償金の金額について他の共有者全員が納得できるかが重要となります。
金額交渉が難航すると、新たなトラブルの原因となる可能性もあります。

相続前に名義を整理しておく


将来的なトラブルを回避するためには、相続が発生する前に、不動産の名義を整理しておくことが有効な対策となります。
例えば、親が所有する不動産について、生前に遺言書を作成し、不動産を相続する人を一人に指定しておくことで、相続発生後に共有名義になるのを防ぐことができます。
また、すでに共有名義になっている不動産については、可能であれば生前に単独名義に変更しておくことも検討できます。
こうした事前の対策を行うことで、相続時の負担や、その後の共有名義におけるトラブルを未然に防ぐことが期待できます。



まとめ


相続した不動産が共有名義になると、共有者間の意見の相違や連絡の取りにくさ、費用の負担などを原因として、トラブルに発展しやすいことが分かりました。
不動産を処分できなくなったり、管理費用の負担で揉めたりするケースは少なくありません。
これらのトラブルを解決・回避するためには、不動産全体を売却して代金を分配する方法や、他の共有者に持分を買い取ってもらう方法などがあります。
また、相続前に遺言書を作成するなど、名義を整理しておくことも重要です。
共有名義の不動産を巡る問題で悩んだ際は、専門家への相談も視野に入れ、慎重な対応を心がけましょう。

Q:不動産を兄弟などで「共有名義」にする際、将来的にどのようなリスクがありますか?

A:不動産全体を売却したり賃貸に出したりする場合、共有者全員の同意が必要になるため、一人でも反対すると処分ができなくなるリスクがあります。
また、共有者が亡くなって次の相続が発生すると、権利者がさらに増えてしまい、話し合いがより複雑になる可能性も高いです。

Q:一部の共有者と連絡が取れなくなった場合、不動産の売却は可能ですか?

A:原則として全員の同意が必要なため、連絡が取れない共有者が一人でもいると手続きが滞ってしまいます。
行方がわからない場合は、裁判所の手続きを利用するなど専門的な対応が必要になり、多大な時間と労力がかかることになります。

Q:誰も住んでいない共有不動産の固定資産税は、誰が支払うべきでしょうか?

A:法律上の原則としては、各共有者が自分の持分割合に応じて負担することになります。
しかし、管理の手間を誰が担うかといった点も含め、負担のバランスについて共有者間で不満が出やすく、トラブルに発展するケースが少なくありません。

Q:共有状態を解消して、スッキリと公平に財産を分ける良い方法はありますか?

A:不動産を売却して現金化し、その代金を持分に応じて分ける「換価分割」という方法があります。
この方法であれば、不動産の管理責任から全員が解放され、かつ1円単位で公平に分配できるため、トラブルを避けやすい解決策といえます。

Q:親が健在のうちに、将来の共有名義トラブルを防ぐためにできることはありますか?

A:遺言書を作成してもらい、不動産を相続する人をあらかじめ一人に指定しておくことが非常に有効です。
生前に名義を整理しておくことで、相続発生後に兄弟姉妹間で意見が対立したり、望まない共有状態になったりする事態を未然に防ぐことができます。

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