旧耐震基準の不動産は売却ができない?スムーズに売却する方法とは

旧耐震基準の不動産は売却ができない?スムーズに売却する方法とは

この記事のハイライト
●旧耐震基準では、建築基準法において「震度5程度の地震で倒壊しないこと」が規定されている
●旧耐震基準の不動産が売れにくい理由は、築年数が古いことや住宅ローン控除や税金の優遇制度などが受けられないこと
●旧耐震基準の不動産をスムーズに売却するには、リフォーム費用を売り手負担にしたり、耐震基準適合証明書を取得したりすると良い

現行の耐震基準を満たしていない旧耐震基準の不動産は、建物の強度が不安視されるため、売却しにくいと言われています。
しかし、ポイントを押さえて販売すれば、スムーズに売却することは可能です。
そこで今回は、旧耐震基準とは何か、旧耐震基準の不動産が売却しにくいと言われる理由やスムーズな売却方法と併せてご紹介します。
さいたま市浦和区、南区、中央区を中心にさいたま市周辺で旧耐震基準の不動産売却をご検討中の方は、ぜひ今後の参考にしてみてください。

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不動産売却における旧耐震基準とは?

不動産売却における旧耐震基準とは?

不動産売却における旧耐震基準とは何か、まずは概要から見ていきましょう。

旧耐震基準とは

旧耐震基準とは、1950年の建築基準法の制定から約30年間にわたって運用された耐震基準のことです。
耐震基準とは、地震の揺れに対して建物が耐えられる性能について定められたものです。
もともと建築基準法が制定される前には、市街地建築物法によって運用されていましたが、木造のみの基準しか定められていませんでした。
1924年の関東大震災を経て市街地建築物法が改正され、耐震基準が加わったのです。
建築基準法は、市街地建築物法の廃止にともなって制定された法律です。
旧耐震基準では、「10年に1度発生すると考えられる震度5強程度の中規模な地震において建物が倒壊・崩壊せずに耐えられる」と定められています。
当時は、震度6強から震度7程度の大規模な地震については想定されておらず、耐震技術も追い付いていませんでした。

旧耐震基準と新耐震基準の違い

新耐震基準は、多くの被害が発生した1978年の宮城県沖地震を背景として、1981年6月に施行されました。
旧耐震基準と新耐震基準では、どのような違いがあるのでしょうか。
昔と現在では建物の耐震性能が異なるため、下記のように震度ごとに定められた基準が異なります。
違い①震度5程度の地震に対する基準
震度5程度の地震の場合、旧耐震基準では「倒壊しないこと」、新耐震基準では「軽いひび割れ程度の被害に抑えること」と規定されています。
つまり、旧耐震基準では、倒壊しない程度の大きな損傷が残る可能性があるということです。
そのため、同じ震度5程度の地震でも、新耐震基準に比べて旧耐震基準のほうが、大きな被害を受ける可能性が高いと言えます。
違い②震度6程度の地震に対する基準
震度6程度の地震に関しては、旧耐震基準には、そもそも規定自体がありません。
一方、新耐震基準では、「倒壊しないこと」と規定されています。

旧耐震基準と新耐震基準の見分け方

旧耐震基準と新耐震基準は、建築確認通知書の建築確認日で見分けることができます。
建築確認日とは、建築確認申請が受理された日のことです。
新耐震基準が制定された1981年6月1日よりも前の日付であれば、旧耐震基準の不動産と言えます。
ただし、売却予定の不動産が木造住宅の場合は、判断に注意が必要です。
なぜなら、木造住宅の場合は、2000年にも建築基準法が改正されているためです。
改正の内容は、地震の横揺れを防ぐ耐力壁のバランスの良い配置や柱と柱の間に入れる筋交いの端を金具で留めることなどが挙げられます。
この改正によって、新耐震基準でありながら、現行の基準を満たしていない既存不適格建築物が存在することを覚えておきましょう。

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旧耐震基準の不動産が売却しにくいと言われる理由は?

旧耐震基準の不動産が売却しにくいと言われる理由は?

続いて、旧耐震基準の不動産が売却しにくいと言われる理由についてご紹介します。

理由①築年数が古い

旧耐震基準が改正されたのは、今から40年以上前のことです。
旧耐震基準の不動産は、築40年以上の古い物件がほとんどのため、築浅の物件に比べると、売れにくいと言えます。

理由②住宅ローン控除を利用できない

木造で20年、鉄筋コンクリートで25年を超える築年数の場合、一定の条件を満たさなければ住宅ローン控除を利用できないと定められています(令和4年度税制改正で経過年数基準は廃止)。
その条件は、下記のとおりで、どちらかを満たさなければなりません。

  • 耐震等級1以上であると評価されたもの
  • 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されているもの

しかし、どちらも新耐震基準に適合する条件のため、旧耐震基準では満たせないケースがほとんどです。
旧耐震基準で条件を満たそうとする場合、新耐震基準並みの物件であることを証明する書類が必要です。

理由③フラット35を利用できない

フラット35を利用するためには、住宅金融支援機構の耐震評価基準を満たさなければなりません。
しかし、旧耐震基準の場合、この基準を満たすことは困難なため、買い手から敬遠される可能性があります。

理由④すまい給付金が利用できない

すまい給付金の利用条件としては、次のようなものが挙げられます。

  • 既存住宅性能表示を利用した住宅
  • 耐震等級1級以上の住宅

これらを両方とも満たさなければなりません。
旧耐震基準では耐震等級1級以上を満たせないため、買い手から敬遠されやすいでしょう。

理由⑤地震保険が高額

不動産の購入に際して地震保険に加入する場合、耐震性能の低い旧耐震基準の不動産には割引が適用されません。
そのため、新耐震基準の不動産より保険料が高くなってしまうことも理由の1つです。

理由⑥税金の優遇が受けられない

親や祖父母から援助を受ける場合の贈与税や不動産取得税、登録免許税の優遇制度は、旧耐震基準の不動産には適用されません。
このように、地震によって建物が倒壊してしまう危険性のほかにも、さまざまな理由によって、旧耐震基準の不動産は売れにくいと言えるでしょう。

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旧耐震基準の不動産をスムーズに売却する方法とは

旧耐震基準の不動産をスムーズに売却する方法とは

最後に、旧耐震基準の不動産を売却する方法についてご紹介します。
なかには、実家の相続などによって、旧耐震基準の不動産を所有することになった方もいるかもしれません。
このようなケースでは、旧耐震基準の不動産は空き家になってしまうことが多く、自治体から特定空き家に指定される可能性もあります。
特定空き家に指定されると、固定資産税の特例から除外されたり、罰金を科されたりする場合があるため、注意が必要です。
そうなる前に、スムーズな売却方法を把握して、早めに手放すことをおすすめします。

売却方法①リフォーム費用を売り手が負担する

リフォーム費用を売り手が負担するという条件で販売すると、買い手に興味をもってもらいやすくなります。
売却前のリフォームは、買い手の好みに合わない場合はかえって売れにくくなるため、おすすめできません。

売却方法②耐震基準適合証明書を取得する

耐震基準適合証明書とは、新耐震基準を満たしていると証明できる書類のことです。
耐震基準適合証明書の発行には、耐震補強工事まで含めると、120万円から250万円の費用がかかります。
ただし、自治体によっては補助金を受けられる場合もあります。
さいたま市では耐震診断や補強工事の補助が受けられるため、検討してみましょう。
耐震基準適合証明書を取得すれば、住宅ローン控除やフラット35の適用、税金の優遇を受けられます。

売却方法③立地が良い場合はそのまま売却する

旧耐震基準の不動産は、好立地の物件が少なくないため、立地を重視する買い手であれば、通常の方法で売却できるケースもあります。

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まとめ

今回は、旧耐震基準とは何か、旧耐震基準の不動産が売却しにくいと言われる理由やスムーズな売却方法についてご紹介しました。
旧耐震基準の不動産は、買い手の不安を取り除けるような売却方法で売却することが大切です。
正直不動産樹では、お客様のご希望に合わせたご提案をおこなっております。
また、空き家の相談や管理についても承っておりますので、実家の相続などでお悩みの方にも対応することが可能です。
さいたま市浦和区、南区、中央区を中心にさいたま市周辺で旧耐震基準の不動産売却をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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