2022-08-22
所有者が行方不明になった家や土地の不動産売却を考えている方はいませんか?
基本的に不動産売却は所有者でなければ進めることができませんが、方法がないわけではありません。
そこで今回は、行方不明者が所有していた不動産を売却する方法について、「失踪宣告」や「不在者財産管理人」などのキーワードをもとに解説します。
浦和区、南区、中央区を中心としたさいたま市周辺で不動産売却をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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不動産売却は、その不動産の所有者にしか扱うことができません。
そのため、行方不明者が所有していた家や土地の不動産売却を進めるには、まず所有者名義を変更する必要があります。
その方法の一つが、「失踪宣告の申し立て」です。
失踪宣告とは、行方不明や失踪により生死がわからない状態の方に対し、法律上で死亡したとみなす制度のことです。
失踪宣告を受けることにより、行方不明者は法律上死亡したとみなされ、所有していた不動産を相続できるようになります。
相続した不動産は名義変更ができるようになるため、不動産売却を進めることも可能です。
失踪宣言には「普通失踪」と「特別失踪(危険失踪)」の2種類があり、まずは行方不明者がどちらに該当するのかを明確にしなければなりません。
普通失踪
特別失踪に該当する理由がなく、行方不明者の生死が7年以上わからない場合は、普通失踪の申し立てをおこないます。
申し立てが承認されれば、行方不明者が失踪した日から7年を経過した日に死亡したとみなされます。
特別失踪(危難失踪)
自然災害や船舶事故、戦争などの災難を理由に生死がわからなくなった場合は、特別失踪を申し立てます。
特別失踪では、災難が去った1年後に失踪宣告がなされます。
失踪宣告の申し立て先は、行方不明者の住所がある土地の家庭裁判所です。
必要書類を用意して申し立てをおこなうと、家庭裁判所による調査が進められます。
申し立てから失踪宣告を受けるまでは、少なくとも6か月ほどかかると考えておきましょう。
また、失踪宣告が確定したら10日以内に失踪の届出が必要です。
行方不明者の本籍地、もしくは申し立てをした方の所在地にある役所に届出をしましょう。
その際、家庭裁判所から交付された「確定証明書」と「審判書謄本」が必要です。
届出が完了すると、不動産売却をはじめ婚姻の解消や死亡保険金の請求なども認められるようになります。
申し立てができるのは「行方不明者と利害関係にある方」に限られています。
たとえば配偶者や、相続人にあたる子どもや兄弟、財産管理人などです。
また、相続人に含まれていない親族や友人などが申し立てをすることはできませんが、利害関係にある方に申し立てを委託することはできます。
失踪宣告の申し立てに必要な書類は、次のとおりです。
また、収入印紙代として800円、官報公告料として4,816円、そのほか連絡用の郵便切手代などが必要になります。
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失踪宣告を受けただけの状態では、不動産売却はできません。
前述したように、売却する不動産の名義変更手続きが必要です。
この場合、法律上死亡した行方不明者の不動産を相続することになるため、「相続登記」をおこないます。
相続登記とは、相続にともなう所有者名義の変更手続きのことです。
相続登記は法務局でおこないます。
以下の書類を用意して、登記手続きを進めましょう。
相続人が複数いる場合は、相続人全員の戸籍謄本と住民票の写しが必要です。
また、遺産分割協議によって相続人全員の不動産売却への同意を得なければなりません。
また、代理人が申請をする場合は委任状が必要になります。
提出した書類に問題がなければ法務局から登記完了証が発行され、相続登記は完了です。
失踪宣告を申し立てたあとに、行方不明者が発見されるケースがあります。
その場合は、失踪宣告を取り消さなければなりません。
失踪宣告の取り消しの申し立てをおこなえるのは、行方不明になっていた本人、もしくは利害関係にある方です。
失踪宣告が取り消されれば、原則として行方不明者の財産は本人に返還されます。
しかし、たとえば相続した土地の半分をすでに売却していた場合などは、売却した部分に関しては返還する必要はありません。
売却していなかった半分の土地だけが、発見された行方不明者に返されます。
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行方不明者に代わって不動産売却をおこなう方法は、失踪宣告の申し立てだけではありません。
不在者財産管理人を選任するという方法もあります。
不在者財産管理人とは、行方不明など所在がわからなくなっている方に代わって、財産を管理する方のことです。
失踪宣告とは違い、不在者財産管理人を申し立てる際には時間の経過を待つ必要がなく、行方不明の方の生死についても関係がありません。
不在者財産管理人の申し立ては、失踪宣告と同じく家庭裁判所でおこないます。
不在者財産管理人が決定したら、かならず「権限外行為の許可」を申請しましょう。
権限外行為の許可がなければ、不在者財産管理人でも行方不明者の家や土地を勝手に不動産売却することはできません。
権限外行為の許可についても家庭裁判所に申し立てをおこないます。
その際、申し立てをした方や不在者財産管理人が呼び出され、事情確認される場合もあると考えておきましょう。
申し立てができる人物は失踪宣言との場合と同様で、行方不明者と利害関係にある配偶者や相続人などです。
ただし、不在者財産管理人になれるのは原則として「行方不明者と利害関係がない第三者」となっています。
そのため、申し立てをする方が第三者にあたる候補人を選ばなければなりません。
不在者財産管理人は複雑な手続きを進める必要があることからも、弁護士や司法書士などが選ばれるケースが一般的です。
不在者財産管理人の申し立てに必要な書類は、次のとおりです。
また、収入印紙代としての800円や、連絡用の切手代が必要です。
弁護士や司法書士を候補者にするのであれば、不在者財産管理人としての報酬も支払わなければなりません。
基本的には行方不明者の財産から支払うことになりますが、不足する場合は申し立てをした方が支払います。
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不動産の所有者や共有名義人が行方不明になっていても、不動産売却は可能です。
失踪宣告の申し立て、あるいは不在者財産管理人の選任について、一度検討してみてはいかがでしょうか。
浦和区、南区、中央区を中心としたさいたま市周辺で所有者が行方不明の不動産売却についてお悩みの方は、「正直不動産樹」までお気軽にご相談ください。
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